とれぱんふっとぼーる

とれぱん先生がお送りする、ワールドフットボールブログやちゃ

広域ホームタウンは考え直すべきやないかのう?

ちょこっと気になるニュースがあったじゃ。

 

グルージャのホームタウンに、陸前高田市以外の市町村が加わった話やちゃね。陸前高田だけが入らんかったのは、東日本大震災から継続的な支援をしとる川崎フロンターレを配慮して、加わらなかったという話ながやと。

いろんな意見がTLに出てて、「他の自治体と足を揃えて全県でやるべき」だとか「川崎フロンターレが陸前高田市との関係を切るべき」とか「別にいいのでは?」とか、様々な意見が出てるちゃね。立場の違いから、いろんな見方ができるがいど、オラもこの件を見て思ったのちゃ、「広域ホームタウン制度自体、考え直した方がいい」と思ったじゃ。それについて、今回ちょこっと書いてみることにするちゃ。

試合開催地、活動拠点は固定されとるにか

まずはこれやちゃね。「全県ホーム」とか言っても、結局試合が行われるとこちゃ、決まったとこでやらんがやね。

これについてちゃ、様々な考え方はあるかもしれんちゃ。ただ、どっかがホームタウンに追加されたところでよぉ、試合会場が変わるわけでないがで、どっちみち時間とお金をかけて足を運ぶしかないがやね。スタジアムに近いとこに住んどるもんよりは、必ず負担は大きくなってくるもんやし、それも1年間も続けりゃ、結構な時間とお金が消費されてしまうがよ。片道1時間以上かかる人にとっちゃ、サッカー一つで1日近くも終わってしまうかもしれんちゃね。

結局のところ、スタジアムに近いとこにおる人の方がよぉ、スタジアムに通うハードル自体は低くなるがいちゃ。半日は家事をやって、半日はサッカーにするとか、1日の中でいろんなことができるがよ。生活とサッカーが身近になるのちゃ、何かを犠牲にして成り立たせるものやなくて、あくまでも両立させるものやけど、それが容易な人こそ、主要なターゲットとして捉えた方が現実的やと感じるがよ。

結局遠いとこでホームタウンとかゆっても、そんでもスタジアムに通う人ちゃ、それこそ何かを犠牲にしてまで観に行きたいと思えるような、所謂「コアな人」くらいやからのう。そこまでしてスタジアムへ通いたい人ちゃ、よほど強くてレベルが高いサッカーをしとらん限りは、まず増えることはないと思うちゃね。「広けりゃ人が集まるやろう」と思って、ホームタウンを広げようとするもんはおれど、その指定がされたからといって、無料シャトルバスとか用意しない限りちゃ、物理的な距離が縮まるわけではないちゃね。

オラの周りのもんにしても、「カターレを観に行ったことない」という人が大半ながいど、実際問題、入善から片道1時間も掛けて、サッカーを観に行くというのも、なかなかの労力がいるもんやと感じるがよ。コアなサポーターは、そんなの苦にも思わんやろうし、自分みたいな人を単純に増やそうと考えるかもしれんちゃ。

ただ、サッカーのために生活を変えるのちゃ、結構ハードルが高いのも事実やし、それを継続して行っていくのも大変なもんやと感じるがやね。そう考えたら、やっぱしオラみたいに通っているもんちゃ、自分でも特殊な人間やと感じると同時に、やっぱし近くに住んどられる方こそ、もっと足を運べるようになったら…とは感じるがやね。

地方でも複数のクラブがJリーグを目指すのはむしろ自然やちゃ

全県ホームタウンに指定しとる県がある一方でよぉ、三重(ヴィアティン三重、鈴鹿アンリミテッド、FC伊勢志摩)、青森(ヴァンラーレ八戸、ラインメール青森、ブランデュー弘前)など、いくつもJリーグを目指すクラブがあるがやね。

三重県の場合は、愛知県と岐阜県に隣接しとる桑名や長島辺りを拠点としとるヴィアティン三重、その南の鈴鹿や津辺りを拠点としとる鈴鹿アンリミテッド、そして更に南の伊勢をホームとするFC伊勢志摩があるがよ。それに最南の熊野とか、内陸部の甲賀を加えたらよぉ、三重県ちゃ、歴史を辿ると、古代から様々な豪族がおって、それぞれが分裂しとるような感じやし、江戸時代は8つも藩があって、結構バラバラやったがやね。それぞれが確立してきとる文化も違えばよぉ、生活も交易も違ってくるもんやから、「県を一つに」みたいのちゃ、それぞれの地域感情を考えたら、やっぱし無理があるみたいやのう。

青森もそんな感じながやね。中央の青森市と南東の八戸やと、車で片道2時間くらいかかるみたいやけど、ここも江戸時代は津軽藩と南部藩で別れとって、歴史的には因縁があるとこながいちゃね。南部藩に関しちゃ、秋田県の北東部、岩手県の北部もまたがっていたがで、あの辺りちゃ、似た文化圏やったりするがいちゃ。津軽地方でも青森と弘前やと、地域で色も違ってくるもんやちゃね。

グルージャのホームタウンによぉ、北部の自治体が加わることになったがいど、あの辺りになってくると、グルージャ盛岡のホームスタジアムがある盛岡市よりも、ヴァンラーレ八戸のホームスタジアムがある八戸市の方が、県境は超えるがいど、えらい近くになってくるがいちゃ。富山でも糸魚川市から黒部へ働きにくるもんがおるし、神岡付近から富山市に働きにくるもんがおって、住居は他県でも職場は富山のもんが結構おるのが県境の文化だけに、いくら同じ県でも2時間以上もかかってしまうような県庁所在地をベースとするクラブに対して、「わが町のクラブ」やと思え…というのが、なかなか厳しいんやないかと感じるちゃね。

長野と松本の地域対立もよぉ、本来は同じ県でもなかったとこやけど、大昔に一緒になってしまったとこちゃ、いろんなとこであるがいちゃ。市町村レベルでも地区ごとで文化が違ったりするし、逆に越境しても文化が似ているとこがあるもんやちゃ。そういった区切りちゃ、何らかの理由で一緒の自治体になったもんやし、結局のところ、県境とかも誰かが決めたようなもんであって、生活圏や文化圏までも変化するようなもんでもないがやね。

全県ホームタウンは地域の中の中央集権に過ぎんちゃ

どこのクラブも地域密着を標榜としてよぉ、地域をアイデンティティとして売り出していくのがJリーグながいど、単純に「スポーツを観戦する人数を増やす」のが、全国どこでも同じ課題ながいちゃ。それを考えたら、同県にすでにJリーグクラブがあっても、○○地区にクラブを作ろう…みたいのは、まず絶えることはないちゃね。

富山県にしてもそうやけど、県外のもんから、富山の食文化として聞かれるのちゃ、富山ブラックであったり、海の幸でもホタルイカ、ブリ、バイ貝、白エビ辺りに偏る傾向はあるがやね。ほんじゃけど、まとめて売り出したらよぉ、全県的に富山ブラックは食べられていると思われがちやし、海の幸でも漁港ごとに得意とするもんが違うがに、それが知られんかったりと、地方の中の地方にとっちゃ、あんましメリットを感じんことが多いがやね。

朝日や南砺の観光関係の方と話したことがあるがいど、県を売りに出しても、末端の地域ちゃ、どこまでアピールできるのかとか疑問に感じることがあって、イベントとかやるにしても、ターゲットとするもんを県境や国境すら超えることも考えているようなことを言ってたがいちゃ。富山県の一部として売ってしまったら、あんまし旨味がないがいちゃ。県庁所在地にあるとこは、同県の田舎のもんでも行くことが多くても、その逆がなかなかならないから、もっと広い範囲で人を集めようと考えるのは、当然と言えるかもしれんちゃ。

ちょっこし脱線したがいど、富山県ちゃ、まだ面積がそんなに広くもない県やから、カターレも「県民のクラブとして~」として謳っていくのは、そんなに違和感があるわけでもないがいど、全県ホームタウンみたいになってしまったらよぉ、生活圏とは遠くて、観に行くにしてもサッカー目的だけになってしまうような彼等にとってのメリットちゃ、そんなに無いかと感じたりするがやね。特にネットショッピングで何でも手に入るようなご時世やと、中央に出てくる理由すらほとんど無いだけに、ますます県の中心程度なら人は離れていってしまうもんかもしれんちゃ。

FC今治、いわきFC、コバルトーレ女川など、地域の活性化をダイレクトに求めているクラブちゃ、昨今増えてきとるがいど、彼等の今後次第やと、全国的にまだまだJリーグを目指すようなとこは増えてくるがかもしれんちゃ。

もし仮に富山県の他の地域からJリーグを目指すようなクラブが出てくることちゃ、今後あるかもしれんと思ってたりするがやけど、そうなってくると全県ホームタウンちゃ、やっぱし障害になってくるがやないかと感じるがやね。ただ、オラの地元である入善やお隣の黒部やったら、それはそれでおもしそうに感じるがやし、オラが大好きな南砺市でも、いろんな人が新しいこといろいろやろうとするとこだけに、それがサッカーだったらどうなるやろうとか、ちょっこし想像を膨らませたら、現実的にできるかどうかは別に、面白そうに感じたりするがやね。

ブラウブリッツ秋田の「マザータウン」

ただ、ブラウブリッツ秋田のように、「にかほ市、羽後本荘市はTDK時代の活動拠点やった」というように、クラブのルーツをしっかり明記されとるものやったら、オラは十分理解できるかと思うちゃね。仁賀保の企業であるTDKからブラウに変わったことで、より観客を見込めるとこへ移転せざるを得ないのは致し方ないことやけど、Jリーグができるずっと前から、仁賀保で歴史を作ってきてこそ、ブラウブリッツ秋田が生まれてきたことは事実やし、そのことに対するリスペクトから「マザータウン」として指定したがいど、些細なことやけど、こういうのは応援してもらうためには大切なことやと思うがいちゃ。

例え観客が少なくても「地元のチームを秋田市に取られた」という意識があってもおかしくないやろう。しっかしよぉ、ブラウのカレンダーとか見とると、仁賀保グリーンフィールドや西目カントリーパークサッカー場で、かつてTDK SCの試合が開催されたスタジアムやと、今ではユースの試合を開催しとったりするし、東北リーグに「TDK親和会」があることから、そうならないように上手く設計できとるかと感じたじゃ。

J3最終節のパブリックビューイングがよぉ、にかほ市で行われとるちゃね。車で1時間以上かかるくらいで、決して近くはないとこながで、試合が行われなくなった時点で、お互いの距離自体が開いてもおかしくないがいど、そんな近くないクラブを応援できる空気を作ったのは、歴史への配慮があってこそやと思うがいちゃ。前身チームでやってたことなんて、すでに無かったように扱うクラブが多い中、当時のスタグルやった「TDK SCカレー」の復刻とか、試合前にTDK時代のビデオを流す辺りは、昔からのサポーターは懐かしむし、新しいファンにとっちゃ新鮮に感じるもんやろう。

ホームタウンになった自治体にどんな利益あるかを考えんなんちゃ

長くなってしまったがいど、陸前高田の話に戻るちゃね。

川崎フロンターレちゃ、2011年の東日本大震災からよぉ、率先して陸前高田市に継続支援してきたがいちゃね。「支援はブームで終わらない」をテーマとしてよぉ、ホームゲームで陸前高田ランドを開催して、食材を使った新商品を売り出したりよぉ、逆に川崎から陸前高田市へ観光する企画やったり、選手が陸前高田で交流したりと、いろいろやってきとるちゃね。

これよぉ、Jリーグクラブならではの復興支援と言えるちゃね。陸前高田ランドに関しちゃ、他のクラブでやっとるような市町村サンクスデーと似たような感じやけど、それによって地域をアピールすりゃ、陸前高田の経済を動かしていくことも可能になっていくがいちゃね。実際に都会の人に、川崎フロンターレをきっかけとして、陸前高田に足を運んでくれる人を増やすことも、観光の視点から見りゃ、本当に理にかなっとると言えるがいちゃね。しかも、実際にサッカーもすりゃ、陸前高田の方にとっちゃ、遠くても身近な存在になってくれるもんやちゃ。

こういうのを見ていったらよぉ、グルージャ盛岡が全県ホームタウンを目指そうとかゆってもよぉ、それはグルージャ側の一方的なメリットしか考えてなくてよぉ、陸前高田にとってのありがたみちゃ、これと言ってない感じに見えるがやね。言葉は悪いがやけど、地元Jリーグクラブ、県庁所在地にあるクラブによる、「一方的な搾取」と言えてしまうがいちゃ。

そもそもの話、県の最南にある陸前高田というとこちゃ、隣接する宮城県気仙沼市と同じ経済圏を確立しとって、山を越えないといけない盛岡よりは、東北最大の都市の仙台の方が同じ文化圏として感じとる人が多いみたいやちゃね。こういった側面ちゃ、県という作られた枠よりは、もっと深く掘り下げんと分からんもんやと感じるちゃね。

 

オラが思うに、Jリーグが掲げる「地域密着」の理念ちゃ、当時のプロ野球との差別化を図るためにだけに過ぎずによぉ、今の川崎フロンターレやっとるようなレベルのことまでちゃ、全く描いてもないんやないかと感じるがやね。結局、地域貢献とかいっても、基本的には「サッカーをやりたい」ということだけやろうし、自分たちが地元でプロサッカークラブを運営しとること自体そのものが、地域貢献だと思っている節はあるんやないかのう。

ただ、それで行き詰まるクラブが過去現在と少なくないご時世やと、定型文的な「全県で盛り上げよう」みたいなこと言って、一方的にカネや客を集めるような搾取よりも、もっと地域に寄り添って、ホームタウンになった自治体へのメリットを考えていかんなんかと感じたりするがよ。今後はそういうフェーズでJリーグが取り組めば、よりサッカーは活性化するんやないかとオラは思うがいちゃ。

-とれぱん・わーるどふっとぼーる