【経営論】プロスポーツクラブの目的は利益を出すことではないちゃ

スポーツビジネスの根幹についてやちゃ。

目次

プロスポーツの目的は利益やないがよ

結構前に投稿したポストやけど、いろいろ反響があったがいちゃね。

これは利益を得たことにやたらと自慢げにして、サッカーファンにマウントを取っていた野球垢に対して発言したもんやけど、プロスポーツの目的を履き間違えているなあと思って投稿したがいちゃ。

なんか「金を儲ける」ということに必要以上に価値を抱いている人達ながやと思うがやけど、単純に金稼ぐとかなら、別にスポーツみたいな心身に負荷をかけてよぉ、怪我のリスクも背負ってまでやることやないし、株でもセドリでも転売ヤーでもやってりゃいいやないけー…と思うし、オラからしてみたら「金だけに執着しとる亡者」としか見えんし、本質的なところが欠け落ちているんやないかと思うがいちゃ。

そこで文部科学省が定義する「プロスポーツの役割」に触れるちゃ。

https://www.mext.go.jp/a_menu/sports/athletic/070817/010.htm

文部科学省の文章は、ちょっこし曖昧な感じはするがやけど、プロスポーツの興行を行うこと自体が「娯楽の提供」であり、それで地域住民の生活を活性化させるところにあるやろう。プロスポーツを見て、触れて、交流することでよぉ、地域住民の生活に充実感を与えたり、ホーム戦に足を運ぶことで同じ地域での交流を活性化させたり、はたまたアウェイ遠征で地域と地域が交流したりと、様々な価値を提供しとるがよ。

だいたい、金稼ぎばっかしに価値を見出さんがなら、そもそも野球である必要もないがで、そこばっかし主張しとる野球ファンは本当に野球が好きな人なのか、オラには疑問に感じるちゃね…。

ほんじゃから、プロスポーツちゃ、単純に「金集め」に集約されるもんやないちゃ。

プロスポーツは収支を均衡するのが理想

そこでよぉ、以前ファジアーノ岡山の社長だった木村正明さんの発言を振り返ることにするちゃ。

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一般企業やと「利益を出す」のが目的になっとんがやけど、プロスポーツやと「頂いた収益を持て余すことなくチーム強化に使う」ことが目的と仰っとるちゃ。

利益という言葉は、定義づけをどこにするかによって変わってくるもんで、マネーフォワードのページによると、こういうように分けられとるがよ。

img_6349-1
https://biz.moneyforward.com/accounting/basic/44807/

利益というのは、日本語そのものの意味にすると「利益=売上ー費用」ということやけど、Jリーグのデータを見てみるとよぉ、利益を残さないことがベースとなって運営されているのが分かるちゃ。

売上は、主にスポンサー収入、入場料収入、あと放映権料等の分配金などが含まれるちゃ。

そして、費用はこちらやけど、こちらは選手や指導者などの人件費を表す「トップチーム人件費」、アウェイ遠征等で使う費用やったり、トレーニング関連の費用である「トップチーム運営費用」、そしてスタジアムの使用料やったり、フロントスタッフの人件費、営業活動、オフィスワーク関連のOA機器、光熱費、試合運営に携わるものとか、チーム以外での必要経費が「その他売上原価・販管費」になるちゃ。

これらを差し引いた金額が「利益」というものになるがやけど、Jリーグのデータになると、費用の方が上回っていることが結構多いがで、根本的には「利益を作ることを目的になっていない」と考えられるやろう。そもそも利益を作ることを前提に考えたら、最も金額が大きい選手人件費を削っていけば、黒字を作っていかれるちゃ。

ただ、そういうことをしていったら、チームが強くなってもらいたいからこそ、多額のお金を出してくださるスポンサーの方々を裏切る行為になってしまうし、目先の成績よりも黒字を求めてしまって、チームが降格するようやと本末転倒やちゃ。黒字ばっかし優先していったら、それこそサポーターは減るし、スポンサーは「使わないなら来年から減額するちゃねー」という感じになって、規模が縮小して、サッカーのレベルも低下に繋がってしまうちゃ。

このことから考えたら、木村正明さんの言うとおりで、サポーターやスポンサー、分配金など、あらゆるところから受け取った金額をよぉ、トップチームに充てていくことこそ、大きな目的となるちゃ。

よって、収入と支出は均衡させるのが理想になるちゃね。

要は「会社に金を残すくらいなら、選手に出してしまえ」ということやちゃ。

チームの価値と選手の価値

最後にちょっこし触れておくちゃね。クラブと選手の価値についてやちゃ。

クラブ自体は、やはり一つでも多くの試合に勝利をしていって、タイトルを勝ち取ることでクラブの名声が広がっていくがやし、多くのファンがついてくるもんやちゃ。目先の黒字とか利益を出すことよりも、やはり「チームが勝利してこそ価値があがる」というのは前提やちゃね。

そして、選手やスタッフについてやけど、こちらは「とにかく金を稼げること」にあるやろう。

プレミアリーグとか欧州のチームへ移籍した選手やと、数億単位の年俸を受け取ったりするがやけど、やはりレベルの高いところへ行くような選手になってくると、受け取る金もでかくなってくるもんやちゃ。たくさんゴールを決める選手、たくさんのタイトルを獲得した選手は、自ずと金持ちになっていくしのう。

それにJリーグのクラブに関しても、J1のレギュラークラスになってくると、やはり数千万円は当然受け取っているくらいやし、代表クラスのスターになってくると億単位は受け取るわけやちゃ。こうやって選手の価値は上がっていくちゃ。

J3ぐらいの選手になっていくと、一部アマチュア選手はおったりするがやけど、近年は事業規模が大きくなっていることから、日本人の平均年収と同等レベルから若干上になってきとるのう。

代表とかになれるレベルやなくても、他の仕事をすることもなくサッカーしとるだけで生計を立てていける選手が増えていけばよぉ、それだけプロサッカー選手の枠が広がっていくがで、裾野は広がっていくちゃ。「好きなことをしてご飯を食べられる人が増える」というのは、どのような業界でも目指していくのは当然やしのう。

こういうように考えていくと、クラブが利益を残していっても、クラブ自体の価値が上がるわけではないのは違いないやろう。

世界的なクラブであるレアル・マドリーとかマンチェスター・シティとかも、根本的には金を稼いでいることよりも、優秀な選手を獲得していって、金をどんどん使うことによって、世界的なスター軍団を形成していって、クラブ自体の価値を上げていっているがいちゃ。選手人件費をケチっていって、勝敗やタイトルは度外視で、目先の利益だけを残していったとしても、クラブ自体の価値が上がるわけやないしのう。

このように考えていったら、やはりクラブは「支出することで価値が上がる」と見えてくるちゃね。

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この記事を書いた人

とれぱん先生のアバター とれぱん先生 ブログ管理人

富山県の入善町に在住やちゃ。
2019年までプレーしていたハンガリー代表GKガボール・キラーイを応援しとったがいちゃ。今は地元のJリーグチーム、カターレ富山を中心に、いろんなスポーツを見とんがよ。バレーボール(KUROBEアクアフェアリーズ)、ハンドボール(アランマーレ富山)なども応援しとって、最近はクリケットもチェックしとるちゃ。料理、ギター、イラスト、温泉・サウナめぐりなども好きやちゃ。やわやわと頼んますちゃー

コメント

コメント一覧 (2件)

  • プロ野球も赤字を出してる球団はある。そもそも2000年代初頭は、パ・リーグの球団は赤字を親会社が埋めているなんてのも珍しくなかった。
    黒字を常に出さなければって話になると、そもそも欧州のクラブでも年間何億って赤字を出してるビッグクラブだってあるし、赤字を批判する人たちはそのクラブにも経営資格なしというのだろうか?

    ただ、ならば赤字になっても問題ないと言って良いわけではないのも確か。

    赤字が続けば、そもそも運営ができなくなるし、最悪はクラブ自体が消滅してしまう可能性も出てくる。

    それに、チームが勝利してこそ価値があがると言っているが、赤字になれば、高年俸の選手(優秀な選手)、もしくは安くて使い物にならなかった選手を大量に切るかをする必要が出てくる。
    それはつまりチームの弱体化にも繋がる。
    J3からJ1昇格を果たしたチームが何十年経ってもほんのごく僅かということ、J3クラブが赤字まみれの状態だということを考えても、赤字運営が順位に好影響を与えているとは思えない。

    ただ、赤字批判してる人はこういう考えじゃなくて、Jリーの運営を批判したいだけだとは思う。

    • >スティッチさん
      あの…文脈読み取れとるがですか?
      「収支を均衡するのが理想」と書いてて、赤字を容認するわけではないがですが…。

      赤字をどれだけ出しても、運転資金がしっかり確保できてりゃ、根本的にはクラブは消滅することはないがで、単年度の赤字だけを見てもあまり本質的なところまでは分からんがですね。この辺りはNPBとも通じる部分ながですが、親会社からの支援体制が確約されていりゃ存続できるがです。

      ただ、Jリーグも「3期連続赤字」と「債務超過」は財務審査の対象としとるがで、身の丈を超えた支出を認めとらんがですね。

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