さて続きやちゃね。
サッカーは民間人が世界に広めたスポーツ
前回の記事についてはよぉ、どういったことを書いたかというと、おかやま山陽高等学校の監督さんが言っていた「イギリスが多くの植民地を持ち、その植民地でイギリス発祥のスポーツであるサッカーが根付いたから」というのを否定するという話やちゃね。
いろいろ書いたがやけど、大まかにはこういう理由で批判したじゃ。
- サッカーが確立された時期と植民地支配は時系列が合わない
- 発祥国のイギリス以外の植民地に広く伝搬している
- イギリスの植民地はむしろサッカー後進国が多い
こういったことを書いたわけやちゃ。まあ、社会科教諭をやっとらっしゃる人であっても、何でもかんでも歴史を知っているような万能ということでもないし、得意不得意の分野はいろいろあるがでしょう。そりゃ、野球の人ながやから、サッカーとか他のスポーツに疎くても、まあ分からんでもないちゃ。
ただ、スポーツメディアである「Number」の編集部がこの程度のレベルながか…と愕然したもんやちゃ。
植民地で広がったスポーツ
ということで後編のテーマは「イギリス発祥のスポーツで植民地に根付いたスポーツは何か?」ということやけど、実はいろいろあるちゃね。
その代表格は「クリケット」ながいちゃ。
オラがサッカーと並んで大好きなスポーツの一つであるクリケットながいど、これ、えらい歴史が古いスポーツながいちゃね。13世紀にはイギリスで羊飼いの人たちの遊びとして定着していたがやけど、庶民の娯楽として定着してきたのが、18世紀(1700年代)くらいながで、サッカーやラグビーとかと比べたら、100年以上も古くから競技が成立しとったがやね。それも統一組織のメリルボーン・クリケット・クラブが1789年に設立されとって、国民的スポーツとして確立されたわけやちゃ。
クリケットがイギリス国内で確立されていった時期ちゃ、まさに大英帝国が拡大していくわけやけど、その時と同じようによぉ、イギリスの領事館とか公爵、商人とかがよぉ、各植民地でクリケットをプレーするようになってきたがいちゃね。
19世紀の中頃に入ったらよぉ、イギリス本土とオーストラリア、南アフリカ、インド、西インド諸島の植民地代表チームが交流試合をするようになってきて、これが国際試合の始まりとされとるがいちゃ。
戦争を契機にインドで現地人に伝えられるちゃ
クリケットが世界で広がる…とかゆっても、元々はイギリスを故郷としている移民がよぉ、故郷を懐かしむためにプレーをしとったくらいで、あんまし現地の人には伝えられるようなことは少なかったみたいながやね。
ただよぉ、インドでセポイの反乱が19世紀中頃に起きてよぉ、戦争後にイギリスが直接インドを統治するようになってからは、インドの豪族とかカースト上位のもんによぉ、イギリス式のパブリックスクールの教育が施されるようになってよぉ、それでクリケットが広がるようになったがいちゃ。
おかやま山陽の監督さんが「イギリスが多くの植民地を持ち、その植民地でイギリス発祥のスポーツであるサッカーが根付いたから」とか言っていたがやけど、これはサッカーではなくて、クリケットであることが明確にわかるちゃね!!
この統治はよぉ、インドだけやなくて、カリブ海の西インド諸島にも伝えられるようになってよぉ、トリニダード・トバゴやガイアナ、ジャマイカなどに住んでいる有色人種にも伝えられるようになったがいちゃ。
現地の人に伝えられるようになってからよぉ、インドからランジットシンジという名プレーヤーが出てきて、イギリスの人気者になったりしたがやけど、やがてインドでも豪族以外の人々にもクリケットが伝えられるようになって、今では世界最高のクリケット大国になってしまっとるちゃね。
ちなみによぉ、おかやま山陽の監督さんが代表監督を務めていたジンバブエも、イギリスの植民地支配によってクリケットが伝えられるようになって、メジャースポーツとして定着しとるちゃ。
そう考えると「クリケットこそ大英帝国の植民地由来のスポーツ」であるちゃ。
旧英国領こそクリケットの強豪国やちゃ
ちなみによぉ、クリケットの強豪国は今ではこんな感じやちゃね。
🏴イングランド
🇦🇺オーストラリア
🇳🇿ニュージーランド
🌴西インド諸島(旧英国領カリブ海連合)
🇿🇦南アフリカ
🇿🇼ジンバブエ
☘アイルランド(南北合同チーム)
🇮🇳インド
🇵🇰パキスタン
🇧🇩バングラデシュ
🇱🇰スリランカ
🇦🇫アフガニスタン
これらがよぉ、国際クリケット評議会のフルメンバーながいど、見事に大英帝国の国々ばっかしながいちゃね。このあたりの国々が、毎回クリケットのワールドカップに出場して、優勝を争っているちゃ。
その他に世界ランキングの上位国になってくると、🏴スコットランド、🇴🇲オマーン、🇳🇵ネパール、🇸🇬シンガポール、🇵🇬パプアニューギニアあたりも割と入ってくるちゃね。あとイギリス王室属領の🇯🇪ジャージー、🇬🇬ガーンジー、🇮🇲マン島あたりも世界ランキングで割といいところに入っていたりするし、アジアでは🇸🇬シンガポール、🇭🇰香港も有力な国ながで、クリケット自体が大英帝国の色が濃い競技であることが分かってくるちゃ。
大英帝国以外のチームで強いところといったら、🇳🇱オランダくらいかのう?
最近ではクリケットがもっともっと広がってきていて、🇯🇵日本も近年結構力をつけてきているがやけど、やはりクリケットの世界では大英帝国とその他の差が非常に大きいのは間違いないちゃ。
クリケットこそ当てはまるちゃ
- サッカーが確立された時期と植民地支配は時系列が合わない
- 発祥国のイギリス以外の植民地に広く伝搬している
- イギリスの植民地はむしろサッカー後進国が多い
前回は3つの理由でよぉ、サッカーは植民地由来とは言えないというように書いたがやけどよぉ、これはクリケットになってくるとこうなるちゃね。
- クリケットが確立された時期と植民地支配の時期が重なる
- 発祥国のイギリスでこそ、クリケットが伝搬している
- クリケット強豪国の殆どは、イギリス連邦諸国である
いかがやろうか?
こういうのを振り返ってみたらよぉ、おかやま山陽の監督さんは、サッカーとクリケットを勘違いしている可能性さえ感じさせられるもんはあるちゃね。野球関係者の中では「サッカーは植民地由来のスポーツ」みたいな流布が広がっている噂はあるがやけど、オラとしてはクリケットの存在をもっと認識していただきたいなーと感じるばかりやちゃ。
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