そういやあよぉ、こんな珍発言がオラに送られてきてたじゃ。
自治体に頼らずに土地購入して自力で建てろ…けぇ?
なんかすごい発言が出てきとるちゃね。
秋田のスタジアム構想についていろいろ話が進んでいるところやけど、なんか事実認識がガバガバになっとる特定のアカウントが「サポーターが金を集めてスタジアムを建てろ」とかずれた発言をしとるちゃねえ。
まあ、サポーターが金集めてスタジアム…とかゆったところで、その所有者・管理者の扱いがどうなるとか、金の管理はどうするのか、そもそも負担するのがクラブなのかサポーターなのか、いろいろ突っ込みどころが満載やけど、詳細を全然目を通したわけではなく、とにかく「税を使うなー」という感じながでしょう。
秋田のスタジアム関連については、2ヶ月前にこちらに書いたがで、読んでいただければいいちゃ。噛み付いてきている人が、秋田のスタジアム構想についてテキトーな理解度で難癖つけてきとるのは明確に分かるやろう。
それよりも後半部分に書いてある「自治体に頼るより土地を購入して自前で建設したほうが手っ取り早く済みますよ」という発言がなかなか香ばしいちゃ。
ん?何を言いたいがやろうか?「自治体を頼るよりも土地を購入して建てろ」ということは、「自分達で勝手に土地を購入して、自分達だけで建設してしまえばいい」ということながでしょうか?
今回はこれについて触れるちゃ。
スタジアム建設には開発許可が必要やちゃ!
まず「自分達で土地を購入して自分達だけで建設する」ことが可能か、結論から言うと、当然ダメやちゃ。
なんでかと言ったらよぉ、スタジアムというのは建築基準法における「特定建築物」に該当するからやちゃ。
「特定建築物」というのはどういうもんかと言ったら、建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)の第2条第1項に定義されていて、百貨店、店舗、事務所、学校など多数のものが利用・使用する、維持管理に環境衛生上配慮が必要な規模の建築物のことやちゃね。更に特定用途に利用される面積が3000㎡(学校は8000㎡)の建築物に該当するちゃ。
特定建築物の定義に関するQ&A
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei12/index.html
この「特定用途」というのが何なのかと、いろいろあるがやけど、例えば「百貨店」「図書館」「遊技場」「事務所」「旅館」とかあるちゃ。で、スタジアムは何に該当するかというと、映画・演劇・音楽・スポーツ・演芸又は観せ物を公衆に見せ、又は聞かせる施設「興行場」に該当するもんやちゃ。
ちなみに3000㎡がどれぐらいの大きさかというと、正方形にすると一辺が55mになるものやから、スタジアムとかアリーナちゃ、そのサイズを余裕で超えるもんになるがで、やはり「特定建築物」になるちゃ。
数多くのプロセスを踏んでいかんなんちゃ
スタジアムを含んだ特定建築物に関しては、やはり周囲への環境衛生上の配慮はしていかんなんもんやから「オラどもは金持っとるから、自分で土地買って、自分で建ててやるちゃ」というわけにはいかんがよ。こういうのは「建築基準法」「都市計画法」「建築物衛生法」などで厳しく制限されとるがよ。
いくら潤沢な自己資金を持ってて、公金に一切頼ることもなくても、建設した後の固定資産税とかの優遇措置も受けなかったとしてもよぉ、勝手に土地を買って勝手に建設するというのはNGやちゃ。
民間資金が投じられるにも関わらず、認められなかった例は過去にあるちゃ。以前に京都サンガのスタジアム構想で、当時実質的オーナーだった稲盛和夫さんが、私財提供を申し出ていたにも関わらず、京都市内のスタジアム構想が白紙になったがよ。
「誰が建設費・維持費を出すか」以前によぉ、各種法令に従ったプロセスを踏まなんがよ。スタジアム建設によってよぉ、周囲への衛生上の悪影響を及ぼさないようにするために、建築物環境衛生管理技術者の承認を受けないとまず無理やしのう。
建築物衛生のページ – 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000132645.html
あと、なんでもかんでも無秩序に建設するのを防止するために「都市計画法」というのがあるし、これを無視して、立地のいいところの土地を金の力で手に入れて箱モノを作ってしまう…なんてこともできんようになっとるわけやちゃ。そもそもスタジアムを建設するという行為自体は、都市計画法では「開発行為」と見なされるがで、それぞれの自治体の首長さんから「開発許可」を受けなければならんがよ。
それにスタジアムに限った話やないけど、周辺地域に影響を及ぼす「特定建築物」を建設するとなると、やっぱし住民説明会などの公聴会の開催は義務付けられとって、やはり話し合って折衝しないといけんちゃ。
スタジアムやと「興行場法」の対象になるから、これらの遵守もしとかんなんちゃ。
なんのせ、スタジアムみたいな大型な建築物になったら、あらゆる法律や条例でがんじがらめになっとるもんやし、逆に「法によって自力で勝手に建築できないようになっている」と言えるやろう。住民、行政、議会の協力や許可を得て、初めて建設できるようになっとるのは、頭に入れておかんなんちゃね。
もしこう言った規制なかったら、イオンモールみたいな大型ショッピングモールが資本にモノを言わせて、周辺住民や商店などに全く配慮なくガンガン進出できるようになるし、有害物質を排出する工場が勝手に作ってもいいようになるちゃ。そんなことになったら、住民の権利を侵害しながら、大企業や資本家がカネに物言わせて勝手なことができてしまうちゃ…。
要するに「誰の金で建設しようが、法のプロセスに基づいて建設しましょう」ということやちゃ。
もしこういうプロセスを無視して、勝手に建築しようもんなら、その建築物の使用許可は下りることはなく、それこそ無用の長物になってしまうしよぉ、それでも法に従わない場合は刑罰が下るやろう。
「自力」「自前」の定義は何ながよ?
上記でいろいろ書いたように、スタジアムのような大きな建築物になると、やはりスタジアムの事業者だけの力で達成できるもんやないし、法のプロセスを経て、やはり地域住民、行政、議会の協力が必要やちゃね。
そう考えたら、やはり「自力」というのはあり得ない話やちゃ。
まあ、そういうことを言う人達に関しては、おそらく「費用は自分持ちでやれ」という考えながやろうなあ…とオラは思うところやけど、まず住民説明会、議会、衛生管理など、スタジアム建設に必要なプロセスに関しても、公金を費やされているがで、結局は「全く公金に手をつけないで建設するスタジアム」というのは存在せんがよ。
こうやって考えると「スタジアムは『自力・自前で建てろ』とは何を定義しとらーよ」という話になるちゃね。
ということで「自治体に頼るより土地を購入して自前で建設したほうが手っ取り早く済みますよ」という発言がいかにダラベショな発言ながか明確になったやろう。
スポーツ庁が補助金活用のガイドラインを掲載しとるちゃ
最後によぉ、スポーツ庁のスタジアム・アリーナ改革資料にはこういったものがあるちゃ。
スタジアム・アリーナ改革の実現に活用可能な施策一覧
https://www.mext.go.jp/sports/content/1422775_11_1_1.pdf
なんか「自前でスタジアム建てろ」とかゆっとるもんがおるがやけど、実は国の機関であるスポーツ庁が自ら資料を用意して、スタジアムに活用できる補助金を紹介しとるちゃ。
こういった補助金は、もちろん国民が納めた税金やったり、国債発行によるもんやったりするもんで、やはり「公金」やちゃね。なんか「自力で建てろ」とか言っとるもんがおる一方で、国自らが「国の金使って建ててくださいね」と言っとるも同然ながよ。
実際「ジャパネット一社で自力で建てられた」と思われている長崎スタジアムシティも、実際は主に防災目的に支出される「社会資本整備総合交付金」という補助金も入っていたりするがで、実際は「自力で建てた」という定義には当てはまらなかったりするもんやちゃ。
こうやって考えてみると「自力・自前で建てろ」というのが、いかに珍言なのかわかるやろう。
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