【昭和の中の昭和】新湊・室谷食堂で「かけ中」やちゃ

こないだよぉ、友人たちに新湊案内してもらったじゃ。

新湊といえば、白エビ、ズワイガニ、バイ貝らが水揚げされる、富山を代表する港町ながいど、そこには長年愛されているソウルフードがあるがいちゃ。

それは「かけ中」と呼ばれとんがよ。

地元に住んでいる人以外はよぉ、あんまし知られていなくて、入善のもんに「かけ中」といっても、あんまし通用せんかったりするがいど、新湊のある射水市近辺では、古くから食べられてきとんがやね。

そういうことでよぉ、新湊へ行って食べにいくことになったじゃ。

案内されて着た場所がここながよ。

ん?

全然看板も上がってないにか?確かに暖簾はあるがいど、暖簾は扉の内側やにか。これのどこが店ながよ?民家やないけ?

…ということながいど、この民家に車を寄せていたおじさんが出てきたタイミングで入ったがやね。

なんでかお客さんのはずのおじさんが「いらっしゃいませ。どうぞ」なんて言っていたじゃ。もう店に入る最初からして、ツッコミどころ満載やちゃ。

…ということで店の中に入ってみたじゃ。

店に入った瞬間、目を疑ってしまったじゃ。

この店は「室谷食堂」ながよ。地元では「むろたん」と呼ばれている、40年以上も営業している老舗食堂ながいちゃ。

いやいやいや…オラちゃ、いかにも「昭和」な雰囲気を味わえるような店は好きやし、そういうところは結構好きな方ながいど、ここはあまりにもすごすぎて、時空の歪みさえ感じさせられてしまうにか…。

そんでメニューを見てみたじゃ。

これは強烈やちゃ。いつから貼ってあらーよ。しかも安すぎやにか。

これでも昔から見たら、結構値上がりしとるらしいがやけど、それにしてもこのメニュー表の年季の入り方が凄まじくて、さすがのオラでも「か!どいがなっとんがよ!」と思ってしまったじゃ。

ここのスタイルは、店主が注文を聞きにこんがで、自分から厨房を覗き込んで、注文するみたいやから、そうしてみたじゃ。

「かけ中(汁中華)とお好み焼きスペシャル!」

注文を待っている間に店の中を見て回ったがいど、やはり年季が入っとるじゃ…。潔癖症の人にとってはあまりおすすめできない店やけど、昔さながらの店へ行ってみたい人にとっては、ここは本当に貴重な場所やちゃね。いかにも「長年やってきています」という感じが出ているのがたまらんちゃ。

ということで、しばらくしたら「かけ中」が出てきたじゃ。

これが「かけ中」やちゃね。

どういうものかといったら、うどんの汁でラーメンの麺という食べ物やちゃ。具材は蒲鉾、ネギ、天かすといった、シンプルなものながいちゃ。

甘めのスープに太麺が絡み合う感じがたまらんちゃね。それに天かすがまた相性がいいがいちゃ。素朴な味やけど、このじんわりと染み渡る感じが、また良いがやね。

テーブルにはコショウと一味唐辛子が置いてあるがいど、どうやらどちらも使っていいらしいちゃね。新湊では「コショウ」をかけて食べる人が多いみたいやちゃ。

そんでこれが「お好み焼きスペシャル」やちゃね。

普通のお好み焼きは具なしらしいがやけど、このスペシャルは大のサイズで具が入っとるみたいやちゃ。この中にはイカ、豚肉、卵など入っていたじゃ。これもまた素朴でボリュームがあって、最高やちゃ。

食べ終わったがで、会計したらよぉ、かけ中と2人でお好み焼きをシェアしたがで、かけ中(中)とお好み焼きスペシャルの半分で、合わせて585円やったじゃ。

腹いっぱい食べたがに、585円しかかからんがけぇ…。こりゃコスパがえらいことになっとっちゃね。オラびっくりやちゃ。

新湊地区ちゃ、2016年に上映された映画「人生の約束」のロケ地になっとって、この室谷食堂もロケで使われとったがやね。そのこともあって、竹野内豊、江口洋介、優香、小池栄子らのサイン色紙があるがいちゃ。

店の外観はこんな感じながいちゃ。

どう見ても民家にしか見えんし、看板もつけとらんがやね。それは昔っからそうでよぉ、ここは室谷さんが営業しとるということで「むろたん」と呼ばれとるがいちゃ。今はインターネットの普及などで「この店の名前ちゃ何け?」と求められた結果、今の「室谷食堂」という名前になったみたいやちゃ。

店主さんはだいぶお年になってしまっとるし、いつまでも営業して…というわけにもいかんやろう。そういうのを思っていたら、また食べに行きたいと思うちゃね。



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